リージュ誕生ストーリー

リージュの使命

ウィッグの価値を問い直し、普段着として提供する

ウィッグは気軽に買える値段ではありません。

安いものでも数万円はしますし、よりよいものを求めると数十万円もする立派な高級品です。 

 

同時に、気軽に買い替えられる値段でもありません。

もし大きな決断をして一つのウィッグを手にしたとしても、二年もするとまた同じコストがかかってしまいます。消耗品ですので、耐用年数は値段のわりには短く感じる方も多いはずです。そのため、催事やパーティなど少し特別な外出にだけ着用するという方もいらっしゃいます。

 

しかし、髪の悩みは毎日つきまといます。ボリュームが少なくなった、白髪が目立つようになった。ウィッグならさっと解決できるけど、気軽に買えない高級品の位置にいる。 

果たして、ウィッグは高級品のままで良いのでしょうか。毎日悩んでいる人が大勢いるのに、一部の人にしか買えないままでいいのでしょうか。

肌着のように毎日使えることが重要ではないでしょうか。

 

ウィッグを普段着として提供する

 

リージュはこの理念のもとに誕生しました。

ウィッグ販売歴15年を経てたどり着いた結論です。

 

※このページは読み終わるまでに約10分かかります。最後までお読みいただけますと幸いです。

 

普段着とは何か?

実際に製品開発や販売を開始する前に、「普段着」を定義しなければ目指す価値が見えてきません。

リージュは構想段階で、下記のように普段着としてのウィッグを定義しました。

 

普段着の定義
  • 買いやすく、買い替えやすい価格
  • 高い機能性を持ち、地毛となじみやすい品質
  • 毎日つけても苦にならない快適なつけ心地

 

結果的には全てクリアし、自信をもってオススメできる製品が出来上がりましたが、実現のためには様々な苦労がありました。

 

店舗を"持たない"決断

 ウィッグの販売はカウンセリングを基本に、お客様ごとに最適な商品の提案・調整、そしてアフターフォローまでがセットであります。これらをすべて"お店"で実施しています。

お気づきの方も多いかと思いますが、お店があるとテナント料・人件費・研修費など様々な費用がかかってきます。また、クリーニングやカットなどのアフターフォローもお客様にとっては嬉しいサービスですが、それも価格に折込済みとなっているわけです。

しかし特に不思議なことでもありません。高級品を販売するのですから、あって当然のサービスだと思います。

 

ですが、そもそも高級品であるべきかどうかを問うと、話は変わります。普段着になるのなら、余計なサービスになってしまいます。肌着をクリーニングに出す人がいないように。

どちらが正解なのかはわかりません。ですが、当店は皆様がウィッグを普段着としてお使いになられて、気軽に毎日着用している方が自然なことだと考えました。そして、店舗を持たないで販売価格を下げる方向に舵を切りました。

これがコスト圧縮の最初の一歩でした。

 

立ちはだかるネットショップ構築の壁

店舗を持たない以上、ECサイトで販売するしかありません。

ここで一つお知らせしたいのは、ECサイトは思ったよりもコストがかかるという事実です。サイトのデザインを外注すると数百万円、モデル起用や商品の撮影で数十万円、楽天市場などのモール型だと出店料・システム利用料が、オリジナルであっても安全な決済システムの導入やメンテナンス費用が継続的にかかってきます。また、外注先にイメージ通りのサイトを作ってもらえるかどうかもわかりません。ただオープンするだけでもコストも労力も相当なものです。

次に集客について、店舗の場合は目の前に人通りがありますが、ECサイトにはありません。なので特に最初はコストを払い、広告から来ていただくより他ありません。

このように、思ったよりコストがかかるECサイト。せっかく店舗を持たないと決めたのに、このままではコスト削減効果が弱まってしまいます。あれこれとコストを抑える方法を模索しましたが、結局数百万円かかってしまうと判明しました。このままでは販売価格を安く抑えることができません。ならば…

 

コスト削減のため、極力自分たちでやってしまおう

 

なんとしても普段着として安価なウィッグを提供するべく、

  • モデルを起用しない
  • 商品撮影、デザイン、プログラミングを全て自社で行う
  • あらゆる作業を徹底的に効率化して時間あたりの効果を最大化させる

などの努力や工夫を重ねると決めました。

自力で行うことに最初は不安もありましたが、毎日続けているとだんだんコツを掴めました。ようやく完成したときは、達成感とやっと皆様にお披露目できる喜びがありました。振り返れば、自社の商品に関して知り尽くしているため、外注するよりも内容が充実していて、かえって良かったと思います

また、単に完成を目指したのではなく、できる限りわかりやすく、見やすく仕上がるように心がけましたので、気に入っていただけるととても嬉しく思います。

 

これで、いよいよ基礎的なコストは極限まで削り切りました

あとは商品です。

 

品質維持のため商品製造コストは削減しない

商売では、仕入れ値を抑えるのが定石です。

ですが、当店がお客様に提供したいウィッグは、職人が一つ一つ手作り(手植え)をしている他、地毛となじみやすくしたり自然に見せるための工夫も施しており、原価に限界があります。

もちろん、人毛を使わずに安いファイバーに変えたり、植毛の機械を使ったり、飾り植え(*ウィッグと地肌の境目をぼかすために、裏地にも毛を植える手法)などの工夫をやめたり、下げようと思えば下げられます。

しかし、同時に品質も劣化します。イメージはつきづらいかも知れませんが、不自然にてかってしまったり、つむじが十字に割れたり、ネットが正面から見えてしまったり、浮いたように見えてしまったり…とてもじゃないけど普段着としては成り立ちません。

結果、リージュでは品質維持のため商品製造コストを削減しませんでした

 

一方で商品製造に関してできる削減は一つだけあって、それは大量に仕入れることです。とはいえ、機械製造の商品のように大幅に値段が下がりません、効果は微々たるものです。

それでもやれることはやりました。在庫を抱えてしまうリスクはありますが、皆様に普段着をお届けする使命を果たすためならと覚悟を決めました。

 

さいごに

その他にもまだまだ工夫はありますが、全部書き出すとキリがないほど、コスト削減をやりつくしました。

逆にカットサービスや電話窓口がなかったり、配送方法をクリックポスト(いわゆるメール便)に絞ったりと、お客様にご不便をおかけする側面もございますが、ご理解・ご協力をいただけますと幸いです。

 

これらはひとえに、皆様に「ウィッグを普段着として提供する」ためでございます。低価格であっても、高品質を厳に維持したリージュのウィッグを、ぜひともお試しいただけますと幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。
当店の商品は下記ボタンよりご覧いただけます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。


2020.9.7
Reju-ウィッグ専門店リージュ- スタッフ一同